株主優待の不公平感

 私は、株主優待を主目的とした投資はしないが、株主優待品が気に入って長期株式保有に至る銘柄がいくつかある。某スポーツ用品メーカーからは株主優待として自社製品の割引券が送られてくる。折角だから使ってスニーカーを購入してみたら、履き心地がよく、そのメーカーのユーザーになった。また、某製紙メーカーからは、特殊なキッチンペーパーが送られてくるが、それがコロナ禍での手拭きに丁度よい。といった様に、単なる株主ではなく、まんまとユーザーに取り込まれることがある。お米や、調味料、缶詰、レトルト食品などの優待品は、概ね自宅で消費するが、不要な物や割引券(美容器具の割引券など)も送られてくる。

 ここで疑問なのは、単位株(百株)保有でも、数千株、数万株保有でも、送られてくる優待品の数量は変わらないことが多い。個人投資家を取り込むため、小株主を優遇していると考えられるが、不公平感は否めない。もちろ、数万株保有しているからといって、お米1トン送られてきても困るが・・・ そして海外の株主に至っては、優待品が送付されないことが多いようだ。

 企業のなかには、株保有数や保有期間に応じて待遇を変える企業もある。そう考えると、株主毎に保有状況を勘案して優待内容を変えることは無理ではないはず。8月に入ってから、議決権行使のお礼としてクオカードが送られてくるが、せめてこういった物は、議決権数(保有株数)に応じた対応が望まれる。

 思いもよらぬ株主優待品は楽しみではあるが、本来、株主優待の費用は、増配に回してもらうのが、株主に公平と考える。大株主にとって溜飲を下げるには、株主優待は、単なる「おまけ」と考えるしかないかもしれない。