2023年度の弁理士試験の全日程(3次試験まで)が終了した。私が受験したのは20年以上も前のことで、この間に試験の内容や合格率は変わったが、合格者平均年齢はほぼ同じ(2022年度は34.9歳)で、受験者の属性は大きく変わっていない。おそらく、試験会場の雰囲気も今と昔とで大きな変化はないだろう。ここで、他の資格試験会場と様子が異なる点を挙げてみたい。
まず、弁理士試験は、出席率が極めて高い。今年度の1次試験は88.5%、2次試験は94.5%である。一方、情報処理試験では、種別にもよるが3~4割欠席者がいる会場を何度か経験したことがある。担当システムにトラブルが生じると休日でも駆けつけなければならない業界事情もあるだろう。
次に、試験会場の雰囲気は、弁理士試験は落ち着いた静かな印象である。平たく言えば、ややどんよりしている。かたや気象予報士試験では、試験会場周辺で報道のカメラが回っていたり、派手な服装の女性や親子受験の姿を目にしたりする。会場は華やかな感じがする。
そして、試験終了後、弁理士試験受験生は静かに帰る。知り合いがいても出題に関する会話はご法度である。弁理士試験は、マークシートの1次試験の1~2カ月後に論文試験があるが、1次試験の結果を気にしながら論文試験の準備はしたくない。1次試験後に試験予備校からボーダーライン予想が出るが、未確定情報に振り回されずに2次試験の勉強に専念したい者もいる。
また、論文試験当日は数回休憩を挟むが、休憩時間に済んだ問題の会話をしてはならない。なぜならば、もしミスに気がつけば、メンタルがやられ休憩後の試験に支障がでるからだ。他方、不動産関連試験などの多くは、休憩なしの一発勝負であるため、試験後は、手応えや答え合わせなどの会話が飛び交う。
さて、11月9日に弁理士試験の最終合格者の発表がある。合格率が気になるところだが、最年少・最年長合格者の年齢にも興味がある。今年、過去の記録(出願時19歳・76歳)を更新するだろうか?