懇親会でのKPI

 先日、知財KPIに関連する講演会があり、終了後に懇親会が企画されていた。懇親会には約30人が参加し、会場は5人掛けの円卓で、テーブルごとに大皿で料理が配膳され、着座にて食事をする形式であった。

 私は乾杯の挨拶を仰せつかった。固く長い挨拶をしてもつまらないと思い、「みなさんの今後の知財活動を豊かにするKPIを考えてみました。懇親会で名刺を5枚集める、というのはどうでしょうか?」と半分冗談で話したところ、その瞬間はあまり受けなかった。

 この5枚には意味がある。自分のテーブル内で名刺交換をしても最大で4枚しか集まらないところが味噌である。

 さて、懇親会が進むと、席を立って移動し始める方や、立ち話を始める方も出てくる。そうこうしているうちに、私のところに「10枚集めました!」と目を輝かせて報告してくださる方が出てきた。終盤が近づくと「4枚集めたので、あと1枚です。名刺交換していただけますか?」と声をかけてくださった方もいた。私も名刺交換をしながら多くの方と会話を楽しんだ。

 立食パーティやビュッフェ形式であれば、立って移動し挨拶を交わす機会も多く、自然と交流が進む。ただ、こういった形式は、社交的な方には向いているが、そうでない方はポツンとなりがちだ。また、知り合い同士で会話のグループが形成されることが多い。

 名刺の枚数をKPIにすれば、面識のない方と会話をすることになる。また、本人を含めたテーブルの人数を目標枚数にすれば、自分のテーブル以外から1枚は必要になり、他のテーブルの方との名刺交換(=会話)を促すことになる。「ぼっち」にもなりにくい。

 懇親会で「テーブルの人数の名刺を集める」というKPIは、参加者の今後の知財活動を豊かにするに違いない。なお、乾杯の挨拶では、「名刺を持ち合わせない方もいらっしゃるかもしれないので、その際は所属と名前を聞くことで1枚とカウントする」と補足している。

 乾杯の挨拶の際には受けなったKPIであったが、参加者同士が楽しそうに名刺交換をしながら会話をされていたので、最終的には場を盛り上げる一助にもなったと思う。