人的資本に絡めた知財KPIの可能性

 企業統治を規定したコーポレートガバナンス・コードの補充原則3-1③において、「人的資本」と「知的財産」とが併記されていて、上場企業には、これらへの投資等について情報開示が求められる。

 「人的資本」と「知的財産」は、別物であって峻別して規定すべきとの意見がある一方、内閣府の検討会では、「(知的財産は)サステナビリティと人的資本とも統合的に進めていく必要がある」とまとめられている。また、「人的資本と知的財産は親和性が高い」といった金融関係者の意見もある。

 この様な背景の下、知財ガバナンス研究会の分科会において、三菱マテリアルの朝戸敦子氏より、従業員に占める発明者の割合と営業利益率との間に相関関係があるとする仮説とデータが提示された。

 同氏が社内異動により分科会での継続研究が困難になったため、共に研究していた高野誠司が着想及びデータを引き継ぎ、分析・仮説検証を行い、「人的資本に絡めた知財KPI の可能性」としてまとめたので、是非ご一読いただきたい。