上場企業の統治指針を示したコーポレートガバナンス・コード(以下「CGC」)が2021年に改訂され、知財に関する内容が追記された。そして、それを補完する知財・無形資産ガバナンスガイドラインVer.2.0(以下「ガイドライン」)が2023年に公表された。
上場企業は、「CGCの各原則を遵守し、ガイドラインに沿って知財・無形資産に関する投資・活用戦略の情報を開示すれば株価は上がるはず」と信じたいところである。
この仮説を検証するため、知財ガバナンス研究会 知財コンサル等分科会で実施された調査結果に基づき、情報開示の評価と株価の推移の関係について分析を試みてきた。
以前に行った分析(2022年から2023年の1年間の推移分析)では、情報開示の評価が上がったからといって、株価がより一層上昇するわけではなかった。むしろ、情報開示の評価が上昇した企業は、株価の上昇が鈍い傾向にあった。知財情報開示による株価への影響は、為替やセクターローテーションなど他の業界事情に埋もれる程度の僅かなものと考えられ、当初の仮説を検証することができなかった。
そこで今回、新たな仮説として「評価期間を延ばせば、情報開示の効果が株価に表れるのではないか」を検証すべく、2022年から2025年の3年間の推移分析を試みた。その結果を「2025年版 知財情報開示と株価の関係」としてまとめたのでご一読いただきたい。
なお、知財ニュースが株価に与える影響については、拙稿「知的財産に関わるニュースが株価に与える影響」をご参照いただきたい。また、知財IRが株価に与える影響については、拙稿「特許に関する適時開示の特徴」をご参照いただきたい。
業種別データに基づく分析結果の提供や、知財情報開示の在り方に関するコンサルティングの依頼については、弊所までお問い合わせください。