1年前に「ホログラム識別特許に大きな価値?」と題したコラムをアップした。紙幣識別に関連する特許情報を分析し、有望な特許「G942特許」を保有する上場企業(グローリー)に投資を行った。本コラムでは、その後の株価の推移を確認してみたい。
1年前のコラムの振り返り
図1 2024年6月10日のコラムに掲載した
グローリー(証券コード6457)の株価推移
出所:Yahoo!ファイナンスのデータに高野誠司特許事務所がコメント付与
1年前(2024年6月10日)のコラムで、「グローリーの株価チャートは、カップウィズハンドルを形成中に見える。教科書的に言えば、株価が急騰しやすいパターンで、間もなくエントリーポイント(投資タイミング)になる。奇しくも新紙幣発行のタイミングと重なる。」とコメントしている。
カップウィズハンドルとは、図2の様に右側の取っ手付きカップの形状の株価チャートパターンを意味し*、深いカップ状の底からの上昇後、浅い押し目の後に一気に上昇しやすい、というテクニカル分析手法が広く知られている。
図2 カップウィズハンドルのイメージ
教科書通りカップウィズハンドルを形成
現在(2025年6月19日)の株価は、図3の通り推移し、綺麗なカップウィズハンドルを形成している。このまま上昇することを期待する。
図3 2025年6月19日までのグローリーの株価推移
出所:Yahoo!ファイナンスのデータに高野誠司特許事務所がコメント付与
ただ、いずれ紙幣識別関連産業は斜陽になることから、今後のグローリーの新規事業展開に期待したい。
また引き続き、注目テーマがあれば、関連する特許情報を分析し、有望な特許を保有する上場企業に実際に投資を行い、コラムで紹介し、その株価の推移を確認してみたい。
知財投資家・弁理士 高野誠司
* 提唱者である米投資家、ウィリアム・オニールによれば、カップウィズハンドルは、下落局面からの形成は含まず、カップの形成は3~6ヶ月としている。
本稿は、客観的データに基づいて記載しているが、いわゆるポジショントークが含まれているおそれがある。本稿で分析に用いたデータは、必ずしも十分な標本数ではなく、記載内容は正確性・完全性・再現性を保証するものではない。また、特定企業の投資を勧誘、あるいは投資手法を指南することを意図していない。弊所及び弊所附属研究所は、投資助言・代理業の登録はしていない。本稿に記載の情報を利用して、又は参考にして本情報利用者が行った投資、売買、借入その他一切の取引又は事業等の結果につき責任を負わない。